「黄色の発見(Discovering yellow)」は、現在取り組んでいる新しいプロジェクトです。クレアはこの制作過程で、数ヶ月前に日本へ移り住んだことを起点として、新しく住む世界で違和感を感じるものごとを探っています。“どこかずれている”という感覚から、さまざまなキャラクター、素材、シナリオを通して、自身を取り巻く世界を十分には理解できない感覚を探求すると同時に、自身の日常生活を成り立たせるために欠かせない母国の文化の要素を発見しようとします。 タイトルの「黄色の発見(Discovering yellow)」には2つの意味が込められています。1つ目は、普段使っている色のパターンを変えて、黄色を優先させ、その周りの色彩構成に変更を加えたということです。そしてもう1つは、自身を取り巻く新しい環境の中で自分自身を明確にするために、母国コロンビアの文化で特に重要な要素を探していることです。黄色は、コロンビア国旗の主要な色であり、また金やトウモロコシなど、コロンビア文化における多くの重要な要素を象徴する色です。いくつかの作品には黒または色の付いたスカートも見られますが、これはコロンビア中部地域の農民女性の伝統的な服装です。 この作家の作品は、非常に個人的な探求であり、そこには幼少期や思春期の記憶もあり、また彼女が育った宗教的なイメージ、特にカトリックの聖人のイメージの強い影響もある。彼女の作品には、これらの聖人の姿を模した様々なキャラクターが見られるが、コロンビアの典型的な衣装や、作家の想像力、美術史への関心から生まれた他の要素も混ざっている。