この展覧会では、人々が生きる社会の選択肢から外れてしまった「あり得たかもしれない選択」の象徴として、「レモン」を取り上げます。我々は生まれた時から、ごく自然に電気のエネルギーを受け取って生活しています。しかし、電気のエネルギーは、どこかで誰かが発電することで生まれています。電気をはじめとしたさまざまな”エネルギー”に対し、人はどのように関係性を持つことができるのか。発電の方法によってそれは変わったりするのでしょうか。 ドイツの作家ヨーゼフ・ボイスは、これから人が目指すより良い世界の象徴としてレモン電池を取り上げました。もしかしたらレモン電池を通じて、私たちはエネルギーという存在と、もっと対等な関係を築くことができるのかもしれない。そんなぼんやりとした思いから、この展覧会ははじまります。
森 健太郎「Lemon, Candy, Motorcycle, Battery」レモン、キャンディ、モーターサイクル、バッテリー